寒さが日に日に増してきて、お鍋が恋しい季節を迎えましたね。
具材は何にしようか、白菜もいいし水菜のシャキシャキ感も捨てがたい。
いつもあれこれ迷います。
食べ物の好みを感じる一つに「かみ心地」があります。
かみつぶすことで得られる感覚ですが、じつは歯だけで感じとるわけではありません。
歯でかむことに加えて、粘膜が触れる感覚や味覚、咀嚼筋や顎関節の感覚などが複合的に関わって感じています。
これらの中でも歯根膜(歯と歯槽骨をつなぐ膜)が圧力を感じる受容器としてとても重要であるとされています。
自分の歯がいちばん良いといわれるのもそのためです。
インプラントは骨に直接結合する形で維持されます。
入れ歯のような着脱のわずらわしさはなく、咀嚼に十分耐えられるだけの力を発揮します。
自分の歯の感覚に近く、失われた歯を補う方法としては画期的で有効な方法です。
インプラントの場合は歯根膜の機能を持ちませんが、残っている歯との調和や咀嚼筋・顎関節の感覚との調和によりかみ心地を感じています。
入れ歯の場合はどうでしょうか。
部分入れ歯であれば、残っている自分の歯と粘膜に触れる入れ歯の床が咬合力を受け止めますが、やはり残っている歯の本数が多いほど咬合力やかみ心地を得るのには有利になります。
総入れ歯であれば、入れ歯が粘膜を圧迫する感覚に加えて咀嚼筋や顎関節の感覚などをフルに使ってスムーズな咀嚼運動を促します。
無歯顎で入れ歯を使わない場合でも、本来は歯が生えていたはずの土手(歯槽提)や舌・頬の粘膜などを使って肉をつぶしたりできます。しかし、顎関節を傷めるリスクがあることは知っておいたほうがよいと思います。
歯の事情はひとそれぞれですが、咀嚼するときは以上のようにいろいろな感覚を使っています。
特に治療方法を選ぶ際はどこで圧を感じているのかといったことも念頭に置いてみるとよいかもしれません。
いずれにせよ五感をフルに使っておいしくいただければ幸せ、ですね(^-^)。