年齢を重ねると問題になってくるのが肺炎。特に「誤嚥性肺炎」です。
口から入ったものが正しく食道に行かず、気管に入ってしまうことを「誤嚥」といいます。
ただし、誤嚥するとすぐ肺炎になるわけではありません。
「誤嚥性肺炎」とは、唾液や飲食物と一緒に細菌が誤って気管から肺に入った結果おこる肺炎です。
食べ物は細菌にまみれているわけではないので、じつは誤嚥しても肺炎の直接原因にはなりません。
口腔内細菌や、のど・鼻にいる細菌が一緒に入ると炎症がおきます。また、免疫力も大きく関わってきます。
▷誤嚥性肺炎の症状
発熱・咳・痰などですが、このような症状が出現するのはまだ元気なとき。
高齢になると免疫力が低下するため、細菌感染に対する防御反応が低下します。
そのため、なんとなく元気がない、身体がだるい、疲れやすいなど、肺炎らしくない症状しかあらわれないこともあります。
▷誤嚥性肺炎の原因
ほとんどが神経反射の低下によるものです。
これは加齢によっても生じますが、脳梗塞など脳血管障害でもおこります。
体力の低下によって嚥下障害をおこすこともあります。
のどには主に二つの反射があります。
・嚥下反射:飲食物を飲み込むため
・咳反射:気管支内に入り込もうとする異物を排出するため
この2つの神経反射が低下し正しい嚥下が行われないと、誤嚥性肺炎を誘発します。
ここで一つ。誤嚥のきっかけは食べ物だけと思われていませんか?
じつは唾液、自分の唾でも誤嚥します。
液体はさらさらしているので咽頭通過速度が速く肺に流れやすいためもっとも誤嚥しやすいものの一つです。そのため就寝中に誤嚥することももちろんあります。
誤嚥性肺炎の予防については次のコラムでふれます。